バフ傷に悩まされているのは202ブラックだけではありません。
濃色のソリッド(黒、紺、赤、青、黄などの単一色の色だけで塗装される)塗装はほとんどが悩まされると思います。
実は、いつもは傷が目立たない白のソリッドも太陽光や夜のガソリンスタンドの水銀灯下で傷が良く見えるんですよ。
◆バフ傷は主に、シングルポリッシャーで磨いたときに見える「磨き傷」◆
●シングルポリッシャーで磨くとなぜバフ傷がつきやすいと思います?●
原因は主に「研磨熱」のせいなんです。
シングルポリッシャーで磨く際に出る熱はハンパじゃありません。
これに関してはここでは詳しく述べませんが、もしご興味がありましたら最後に「抑熱研磨」についてリンクを貼っ
ておきますのでご覧ください。
すみません、横道にそれました。
改めて、
◆車の「磨き」とは◆
傷を研磨粒子で徐々に浅く、小さく目立たなくする作業です。
言い換えれば、レコード盤(ご存じの方がどれくらいいらっしゃるか・・?)の溝をCDの溝位にまで目立たなくし、顔が映るくらいに鏡面にすること。
例えば、
◆例えば「TOYOTA202ブラック」を磨くには◆
202ブラックはソリッド塗装のため傷が良く目立ちます。
よって、あなたの腕が試される塗装と言えます。
しかし、奇麗に仕上げれば最高の光沢が出るのです。
◆202ブラックの塗装をバフ目を出さずに磨く手順◆
1.タイヤやタイヤハウスなど下回りを洗浄後、ボディを洗浄します。
2.マスキング
3.傷を確認します。
⇒この時点からハロゲンライトやLEDを照らします。(研磨作業中も常に照らして傷を確認しながら磨きます)
できれば確認場所には黒のスクリーンをライトの後ろに置くと、背景が映らないので効率よく傷などの状態が
確認できます。
4.まずM cutとW-125ウールバフとRYOBI(現在は京セラ)RSE-1250で全体を磨き、拭き傷など浅い傷を除去しま
す。
⇒この時磨きが効率悪く感じるようなら、基本の回転数「3」を4に上げたり、力を加えたり、M cutよりも削れる
F cutに変えてみて、作業性の良い方法を見出す事が効率よく磨くコツです。
他にも、偏芯幅(オービットダイヤ)の大きいポリッシャーに替えてみるのも良策です。
5.次の工程として、バフ傷が大まか消え、残っている傷は、傷のエッジを目立たなくする感じで少し広めに磨きま
す。
徐々に力を抜きながら磨いていき仕上げていきます。
力を抜くことでポリッシャーの回転数も上がり、ツヤが出てきます。
この状態で仕上がれば、さらなるツヤを出す為にG cutとS-12520のスポンジバフで鏡面仕上げを行っていきま
す。
M cutの後に、S cutとW-125のウールバフで磨く工程を入れるのも良いでしょう。
この工程でも、先の工程と同じく力を抜きながら回転数を上げていくことで仕上がりが良くなります。
細かいテクニックは「抑熱研磨法」のマニュアルをご参考にしてください。
行程としては以上です。
スクラッチシールドも濃色のソリッドの場合は、同じ理屈なので、この磨きができれば楽に磨けますよ。
ただちょっと、クリアが違うので少しコツがいりますが、そんなに難しくはないですよ。