「Riverail Glass Coating System」は、下図のようにベースコートとしてハードグラスコートよりも固い被膜を 形成する「Primary Coat」を塗布した上にトップコートとして、撥水、親水、フッ素コートを施すコーティング法で、親水ガラスコート「Silica Coat」の試作中に開発 された施工法です。 クリアー塗装のような有機被膜上に無機質の被膜を形成させることにより密着性を高めて各コーティングの被 膜特性を最大限向上させる為の新しい下地作りの工法です。 この工法は、完全無機質の親水コート(Silica Coat)の試作中にSilica Coatを無機質のガラスと有機質のクリ アー塗装に塗布してみたところ、どちらも大量の流水をかけるとベタ〜ッと水が表面全体になじみ、水滴もつ かず水の膜厚が全体的に徐々に薄くなりながら乾燥していくのですが、降雨程度の水量位では無機質のガラ スは水が全体になじんで一面にベタ〜ッとなるのに比べ、有機質のクリアー塗装では撥水コートと比べて確か に水玉の接触角は小さく水滴も少ないのですが、ベタ〜ッとはならず水滴が残ってしまいました。 この原因を追求していくうちに、一番密着性が良く、被膜特性が最大限に発揮できるのは基材が「有機質より も無機質のほうが良い」と言う事に気づいたのです。 確かにコーティングをするときに研磨後脱脂をしますよね。 ハジキがあると密着性が悪くなるからです。 だから「脱脂」をするわけです。 塗装面を脱脂しても、塗装は有機質です。 厳密にいえば「ハジキ」ます。 塗装が弾かない無機質に改質できればどうでしょう? 密着性はさらに向上すると考えられませんか? 特に、親水コート(Silica Coat)やフッ素コート(F coat)等は有機被膜への塗布はあまり密着性は良くなく、被膜性能も十分発揮されないようです。 よって、無機質な親水コートや、超撥水であるにもかかわらず塗装との密着性の弱いフッ素コートなどは、塗装を無機質に改質したほうが良いのです。 他に、密着性を高めるもう一つの要因として「施工面(基材)の硬度を上げる」事です。 施工面が柔らかいと、その上にいくら高硬度のコーティングを施しても高い密着性は望めません。 密着性が弱いと言う事は高持続性が望めないのです。 この考えをもとに考え出されたのが、 です。 当システムの目玉であるベースコートのPrimary Coat(プライマリーコート)は、大気中の水分と反応してシリカガラスに転化するパーヒドロポリシラザン(以下PHPSと呼ぶ)を主成分としたアクアミカを主成分とした完全無機質で、かつ非常に硬い被膜を形成するガラスコート剤です。 Si(珪素),N(窒素),H(水素)のみから構成されるアクアミカが、Si(珪素),O(酸素)から構成されるシリカガラス(SiO2)へと変化し、完全無機被膜を形成することで被膜の耐久性、親水性が得られ、さらに高硬度被膜により防汚性や防食性、防傷性を向上させます。 前出の通り、特に撥水コートでは直接塗装に塗布しても密着性はあるのですが、無機コートやフッ素コートなどは有機質の塗装に直接塗布しても密着力が弱い為に被膜の持続性も左右されてしまいます。 よって、無機やフッ素コートの持続力を高めるには、塗装面との密着性を上げることが必要となってきます。 そこで密着性を高めるために塗装表面に無機の被膜を形成させ、更にアクリル樹脂や最近の車の塗装であるウレタンとの相溶(2種類または多種類の物質が相互に容易に結合する性質や傾向:下図参照)に優れた成分を使用することで非常に高い密着性が得られる「アクアミカ」を採用したのが「Primary Coat」なのです。 Primary Coatは、完全硬化すれば基材を含めた被膜破壊硬度ではシリコーンハードコート(SILICONE COATは鉛筆硬度9H)の約4倍、ポリカーボネートの約10倍と言う非常に硬い被膜の形成により、塗膜への汚れの浸透を防ぐ為にもし、汚れがついても雨や水洗いで簡単に落とせ、クリアー塗装の硬度(鉛筆硬度約3〜4)程度しかないSilica Coatやフッ素コートの被膜の柔らかさをベースコートによりしっかりとガードして塗装への傷を入りにくくしたり、変形しにくくするのです。 (以上、AZ エレクトロニックマテリアルズ株式会社のアクアミカ技術資料より) Riverail Glass Coating Systemは、このようにPrimary Coatの誕生によりSilica CoatやF coatの被膜特性を向上させ、被膜硬度の弱点を補う事を可能にしました。 また、これら「Silica Coat」、「F coat」の再施工の場合も、まずS removerで被膜を除去し、Primary Coatのベースに劣化などが無ければ再度これらを塗布するだけなので弊社製品のSILICONE COATのように旧被膜を研磨で除去することと比べれば非常に簡単な施工となります。 (SILICONE COATの場合にもS removerを使用することで比較的早く被膜を除去することが可能です。) 仮にS removerでコーティング被膜が完全に除去できない場合研磨をしても、最初から研磨で除去する場合と比べ非常に時間の短縮が図れます。 また、約2年の持続性を持つガラス系ポリマーコートのRV-G protect high gradeのベースコートにPrimary Coatを塗布することにより、耐傷性や持続性を向上させるため「ガラスコート」としての販売を可能とし、再施工についても被膜はIPA(イソプロピルアルコール)で簡単に除去できるので超撥水ガラスコートの中でも非常に施工が簡単な高品質撥水コートです。 この様にPrimary Coatは、ポリシラザンを配合した多くのコート剤の中で、手塗りでありながらすぐに硬化するポリシラザンと選び抜いた溶剤を独自の配合により作業性に優れた完全無機のベースコートに仕上げることが出来ました。 また、理論的にはポリシラザンの濃度を上げれば被膜硬度や性能を向上させるのは可能なのですが、濃度を上げるにしたがって作業性が悪くなり、また、クラックが起きやすくなるためにPrimary Coatは作業性と被膜特性を最大限考慮した配合率となっています。 ※「Primary Coat」の商品ページもご参考にしてください。(商品名をクリックしてください) 現状扱われているコート剤は超撥水とか、疎水、滑水コート、と言っても疎水や滑水は超撥水(ここでは接触角は無視して、通常の撥水よりも撥水性が優れているものをこう呼ばせていただきます。)による現象であり、所詮は似通った撥水コートです。 車の塗装や保管場所、メンテナンスなどを考えると果たして1種類程度のコート剤であらゆる車やお客様のご要望を網羅することが出来るでしょうか? 多種多様な車の塗装や保管方法、場所などに対応するためには、これら撥水・親水・フッ素コートの性質の違うコート剤を揃え、これらのメリット・デメリットをご理解されることでコーティングをお勧めする際のTPO,つまりT(塗装)・P(保管場所)・O(お客様のご要望)に対して的確なアドバイスとお勧めをすることが出来、ひいてはお客様からの信頼を得ることが出来るのです。 下に、弊社の撥水・親水・フッ素コートの特徴を表にした比較表を掲載いたしましたのでご参考にしていただければと思います。 「Riverail Glass Coating System」では、下地処理については、今までGlazing Polish Clearを塗布して下地を処理する工程を、TAKUMI S cutもしくは、G cutで鏡面にし、Primary Coatと親水促進剤で施工面を平坦かつ無機質な面にしてSilica CoatもしくはSILICONE COATやFG coatを塗り込むことで密着性を高め、持続性の向上や被膜特性を最大限に発揮させる」為の新しい工法です。 撥水コートであれ親水コートであれこれらの特徴を最大限発揮できるのは、施工面が平坦であることが重要です。 よって、汚れなどがついて施工面に凸凹が生じると、光沢や美観が損なわれるだけでなく、撥水コートであれば親水のように水滴が弾かなくなり、親水コートであれば逆に水滴ができやすくなります。 しかし、このような状態になっても、汚れを除去することで撥水なり親水なりの効果が蘇ります。 だから、お客様には汚れたらせめて洗車なりのメンテナンスが必要な旨をお伝えする必要があるのです。
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